暮らしの底から水面を見つめる

グッドになりたい日記

ラーメンライスで乾杯

つい出来心で……ではなく、マジで欲しかったものを2022年初買いキメました。
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YAMAHA FG-180をゲットです。

Twitterとかで検索するとゆずのファンの方がだいたい引っかかるということで有名なFG-180ですが、僕は別にゆずファンではないです。
FG-180といえば遠藤賢司さんかElliott Smithですね。やっぱエンケンよ。

前回の記事にあるFG-140を弾いてから「いつかはFG-180の前期赤ラベルを」という想いが強くなり、しかし中古のしかも半世紀も前のギターを弾かずに買う勇気はまったくなく購入前に至るわけですが。
コレクターじゃないので弾くことができない、難しいギターはいらんのです。なら前期型に拘んなやという話なんですが、それにはちゃんと理由があります。

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YAMAHA FGは1966年10月に発表され、その初期モデルには明るい緑のラベルが貼られていたことから『ライトグリーンラベル』と呼ばれます。
オークションでも10万近くの値段が付けられることがあるヤバモデルです。本数もそれほど多くなく、まともに弾けるものはめちゃ希少なので、そういうものはもはや資料ですよ。最初期には単板モデルがある(FG-180はオール合板)とかいう伝説があるのもこのモデルです。

1968年から上の写真の『赤ラベル』と呼ばれるものに変更されます。
この赤ラベルがまた厄介で、72年までの間で細かいマイナーチェンジが多いです。

・ヘッドのYAMAHAロゴが平体→長体→音叉マークに
・ラベルのYAMAHA GUITARが平体→長体
・エンドピンがカバの木製→プラスチック製
・ロッドカバーが釣り鐘型→三角型
・指板ポジションマーク5mm→3mm
・ピックガードの形状変更(数種類あるらしい)
・ペグが肉厚タイプ→肉薄タイプ

もしかしたらまだあるかもしれん。イレギュラー仕様とかもあるみたいでもうわけわかりませんが、これの最初らへんのモデル

YAMAHAロゴ(平体長体問わず)
・ロッドカバーが釣り鐘

で弾ける状態のものを探していました。製造年でいうと68年か69年製のモデルです。
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ナイス釣り鐘。釣り鐘型ならだいたいYAMAHAロゴです。
出会ったFG-180はまさにドンズバモデル。シリアルとパーツ類から68年初頭だとおもわれます。
何故前期型に拘るのか?
個体によって音がまったく違う上に、前期と後期でも異なるという話を聞いたからです。良いとされる赤ラベルでもフォークブームによる増産でそれ以降の質が変わったという話もちょいちょい見ます。

出会った実機の話に。

弾かせてもらったときはMartinのRetroという古い弦を復刻したものが張られていたのですが(こいつがなかなかクセ強弦で、派手な音はしないが乾いた歯切れの良い音がする)、大きな鳴りとガツンとした低中域に一瞬で恋に落ちました。
持っていたFG-140が中高域に特徴があり、材は違えど近いキャラクターだろうと思い込んでいたのでいい意味で裏切られました。
大袈裟に言ってしまうとヴィンテージGibsonのキャラクターに似ている(似ているだけであの音が出るわけではない)。カラッと乾いていてガランと鳴る。まぁそんなに古Gibson弾いたことないけど。
低音はおもったより鳴る。単板と比べるとどうもぼやっとした音ではあるんですが、とにかくガツンとくる。
『響く』よりは『鳴る』ですね。真っ直ぐ、遠くに鳴らせます。
Martinをもとにしたギターだからなのかたまに言われる『鈴鳴り』という音もこのギターではわからんかったです。音はどっちかというとGibsonなので暴れ気味でタフな感じ。YAMAHAに綺麗さを求めるならLシリーズを買うのがいい。

ネックも太くてV型のFG-140とは違い、平均か現代的なギターに比べて気持ち太い?と感じるU型。70年代の赤ラベルを何本か弾いたことがあるのですが、そのどれよりも細めに感じました。ボディの小さなFG-150の方が太いものが多いと気がします。
弦高6弦約3.5mmとちょっと高めですが、弾き語りでガンガン弾くタイプなのでまだ大丈夫かな?と判断してそのままにしています。案外気にはならない。ネックも真っ直ぐで勢い良く弾けそうなギターです。

FG-180とFG-140がほぼ同じ音、という人もいますが、少なくとも自分の手に入れた2本は全然違う音をしています。どちらが良い悪いではなく性格が違う。使っている材が違うんだからそりゃそうだって話ですが。
もしかすると70年代の後期FG-180ならFG-140と似ているのかもしれません。
共通しているところといえば、合板ギターなので低音の解像度がもっさりしています。どれだけ材が乾いていても合板ですからね。

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持って帰ってとりあえずD’Addarioのコーティング弦を張ってみたら、フォスファーなのでだいぶ滲み感が強く出てしまった。あとゲージも落としてしまったらダイナミックさがすっぽりと抜け落ちてしまったように優しい音になってしまって、結局最初のRetroライトゲージに戻しました。
優しい音もありなんですが、自分が使うならガツンと鳴らしたい、その上で優しい音が鳴らせるのが理想です。
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割と貴重なギターなんですが、ライブでも使いた〜いとなっているのでピックアップ付けたりペグ変えたり消耗品交換したりしていく予定です。
価値は下がってしまうけど使ってナンボや。

わからん人には全然わからん内容でしょうが、こいつは憧れを手にしたと理解していただけたらオッケーです。サンキュー。