暮らしの底から水面を見つめる

グッドになりたい日記

マイベストなんちゃら その5

もう21枚目ですか。遠かったような、そうでもなかったような。


21.David Bowie - Rise & Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars

僕が一番CDを持っているアーティストがDavid Bowieなんです。個人的にどのアルバムも大好きなんですがまず一枚目といったらZiggy Stardustしかないですね。
ロックンロールの持つ煌びやかさ。猥雑さ。暗さ。儚さ。それらが「栄光と没落」という一枚のストーリーでドラマティックに描かれています。
正直このアルバムを聴いたときはまったくわけがわかりませんでした。ボウイの歌い方も鼻がかったニワトリの首をしめてるような感じにしか聴こえなくて。とりあえずギターかっこいい。Moonage Daydreamのソロやべーって印象。何がキッカケか覚えていませんが、ある時聴き直してみると何故かどハマり、今に至る。ボウイの声って表現力もですがトリックスターとしての説得力がありますよね。
とにかくシンプルなロックンロールが全編に渡ってかき鳴らされています。一枚のアルバムとしての調和、統一性。直球一辺倒じゃなく、巧みに緩急を挟んでくるのでめちゃくちゃ心地良い。曲単体の完成度も高くiPodシャッフル再生にも対応済み。このアルバムの中一曲だけあげろと言われたら人それぞればらけるような気がします。今日はこれだけど明日になったら違う曲をあげるかもしれません。
グラムロックだとか違うだとかじゃなくて「ロックの金字塔」って作品。ギターソロは弾きざまっていうのもこの作品、というかミック・ロンソンから教わりました。曲単位で語りたいですが、記事にならないレベルなのでここで切っておきます。Ziggy Stardustが一番わかりやすいし多数が聴いたことのある曲だと思いますが、ここはアルバム最後を飾るRock'n Roll Suicideをあげときます。是非対訳を読みながら聴いてください。
ロックが好き!って言ってるのにこの作品を聴いていないやつはモグリだ。自殺しろ。必聴盤です。

Rise & Fall of Ziggy Stardust: 40th Anniversary

Rise & Fall of Ziggy Stardust: 40th Anniversary



22.THE YELLOW MONKEY - jugar hard pain 1944〜1994

ボウイ連続だと思ったか?バーカ!!!
イエモンZiggy Stardustを作ろうと言って製作されたのが今作。元ネタと同じくアルバム一枚が一つの物語になっています。コンセプトも構成も一緒。あげくにオチの曲で叫んでいることもど直球のオマージュという。元ネタと違うところと言えば、音像が多少ハード(元々ハードロック出の人たちだしね)。このバンド初期の特徴の一つである卑猥さがくどいレベルで出ている(褒めてます)ことでしょうか。
ヤクでも決めてるのかっていう吹っ切れた歌詞。「石で性器をつぶしても 君を好きでいられるから」とか「A HENな飴玉」とか「尋問・連行・仮釈放 僕は見かけ通りさ」とか好き。吉井和哉という人はとにかく語感のセンスが凄い。単体で聴くとまったくわけわからんけど。話はずれますが「乗客に日本人はいませんでした」って有名なフレーズはそこだけ取って悪く捉えられてると思います。
この毒々しさとエログロな世界観こそイエローモンキーというトンチキな名前のバンドの良さ。Punch Drunkardみたいなライブ感のあるハードロックなのも好きだけど、「彼らと言えば」なら今作が至高。BUNCHED BIRTHも捨てがたいけどネ〜。ただ人に薦めるならFour Seasonとか8ですね。このアルバムは良くも悪くも上級者向けって印象です。

Jaguar Hard Pain

Jaguar Hard Pain



23.SuiseiNoboAz - THE (OVERUSED) END OF THE WORLD and I MISS YOU MUH-FUH

ロックオペラかコンセプトアルバムが続くと思ったか?バーカ!!!
何故このアルバムのレビューがないのか。1stが座禅、ナンバガ系統が好きな人間に評価されたのは向井がプロデュースしたからか?ただ確かに水星より愛をこめてを聴いた時に衝撃を受けたのは事実。個人的に1stはものすごく荒削りで正直向井プロデュースが邪魔でしかないものだと感じました。
二枚目にあたる今作は向井秀徳だとかナンバガだとか、そういうのを吹き飛ばすような大作で、言葉にするとロマンティックじゃないロマンティズムに溢れたニヒリズムの塊のようなアルバム(自分で言ってわけがわからない)です。
音はえらいタフで、ジェットコースターのように走るバスの窓から見える景色はあっという間に通り過ぎていく。深いエコーがかかっていても幻想的とはならずにどこかカラッとしているのは彼らの武骨なところがそうさせてるのか。
あまり知られていない日本の名盤ですかね。世界がどうなってるのかもわからない頃に見た、色褪せたロードムービーのようなアルバム(マジで自分でも意味わからん)。世界の終わりに唾を吐きかける、冬より夏に聴くのがオススメ。
本当は64っていうこのアルバムの核である曲がよかったけどいいのがなかったんでアルバム買って聴いてください。

THE (OVERUSED) END OF THE WORLD and I MISS YOU MUH-FUH

THE (OVERUSED) END OF THE WORLD and I MISS YOU MUH-FUH



24.Smashing Pumpkins - Mellon Colie & The Infinite Sadness

オルタナバンドでマフと言えばファズ仙人かキンタマハゲのどっちかっていうの、あるよね〜。スマパンはどのアルバムも大好きなので全部書きたいですがそれはまた別の機会に。
ハゲの世界観が爆発したのか、一枚には収まり切らずに二枚組二時間越えという大作。当初は激しい曲の一枚と静かな曲の一枚という構成を考えていたらしいけど、最終的にごちゃ混ぜになるという結果に。サイアミーズも最高で好きな曲が多々入ってるんですけどね。トータルとしてはこっちかなあと。メタリカにインスピレーションを受けた曲から'80sニューウェーブあり、ストリングスで持っていく曲ありと散漫にならず、見事綺麗にまとまったアルバム。例えるなら堀が埋まっていない大坂城ですね。めちゃくちゃカッチリガッチリしていて難攻不落。大砲(麻薬)持ってこい!
ハゲの歌声ってカエルを潰したような声なのに妙にセンチメンタルで映えますよね。それにヘンテコリンなギターと叩きまくるドラムが「歌って」いるのはバンドマジック。ベースは1stのが目立ってた。「ビリーのギターが『ヘビー』なら僕のは『ビザール』って表現イイね」ってどっかのインタビューで読みました。まさにそれ。
ちなみにライブも見ました。オリジナルメンバーはハゲしかいませんでしたけど、一曲目のTodayのイントロでマジ泣きしました。あんなん卑怯やん。そして最後はハゲが「おやすみ!」って言ってTonight, Tonightですよ。泣くなという方が無理。
「今夜、奇跡が起こる」ダーシーは別にいいからイハとジミーでもう一回ライブしてくれ。

Mellon Collie & the Infinite Sadness

Mellon Collie & the Infinite Sadness



25.Pavement - Terror Twilight

スマッシング・パンプキンズとツアーに出た」
スマパンと来たら次はペイヴメントでしょ!!彼らも大好きなバンドでしてどのアルバムも最高なんですが、ここはラストアルバムを行きましょう。最初にRange Lifeの歌詞書いたのにね!
彼ら"らしさ"と言えば「ローファイ」「皮肉」の二つが簡単に浮かぶと思いますが、この作品はその特徴が薄い。むしろ音がいい。ラジオ頭で有名なナイジェル・ゴッドリッジ(薄毛)がプロデューサーなんですけども、この人の他の仕事と同じく楽器がめちゃくちゃ鮮明です。ジャケットのようにキラキラしてます。良いメロディ。これまで積み重ねてきたバンドアンサンブル。最高のアレンジ。ローファイの果ては彼らの(というよりマルクマスの、か)ルーツだったというオチ。マルクマス、'60sっぽいギターリフ好きよね。「…And Carrot Rope」っていう気の抜けた炭酸のような名曲でサヨナラっていうのがまた素晴らしい。PVも楽しげなのに何故か涙を誘う切なさがたまらない。
ロックだとかメタルだとかローファイだとかパンクだとか、そういうの抜きで純粋に良い音楽っていうのがこの作品。脱力感のある捻くれたポップネスというこのバンドらしさがやっぱりあるのはご愛嬌。とにかくキラキラしたグッドメロディが全編に渡って鳴らされている普遍的な名盤って言い切っちゃう。
ライブもう一回見たいけど無理だろうね。

Terror Twilight

Terror Twilight



最後まで真面目に書きました。その1以来ですね。書き出してみると自分がいかに普通のロックキッズなのかよくわかりますね。90年代好きやな。ちょうどインディーとか流行り出した頃なのでそっちのルーツである90年代の所謂オルタナが好きなんでしょう。多分。
いよいよ次で折り返し地点をぐるりと回るので気合い入れて頑張ります。